凹んだなあ......。

テレビ雑誌を見ていたら、『ベストハウス123』 の記事が目にとまった。 番組中に昨年の 『ジャパンケーキグランプリ』 の優勝者の作品が登場するとの事。
その優勝者は、俺が仕事をしている店から車で1時間程の水戸市にある 『パティスリー・コサイ』 でスー・シェフ(副シェフ) をしている人。 という事で、その 『コサイ』 さんのHPを覗いてみた。


初めて 『コサイ』 さんのHPを見たんだけど、とにかくぶっ飛んだ。


『コサイ』 さんはここ何年かで急成長したお店で、茨城県内はもとより、全国の業界全体でも注目されているお店。 「俺も独立したら、こんなお店を持ちたいなあ......。」 と思う、俺からすれば正にその一番の目標みたいなお店で、以前はちょくちょく買いに出かけては、そのお菓子から勉強していた。


ただ最近は俺も休日に仕事をしている事が多く、『コサイ』 さんに行けていなかった。 「2階建てに建て増して厨房を拡げ、製造のパティシエも増えた」 という事は聞いていたんだけど、何よりもそのパティシエの人達のレベルが物凄く上がっていた。


以前はコンクールに出品するような人は居なかった様に思うんだけど、去年は6人も出品して、そのうちの一人がグランプリを獲得(優勝)したのである。 これは本当に凄い事だ。
その優勝作品は 『チョコレート工芸菓子部門』 に出品した物なんだけど、その他の全部門の作品を抑えてグランプリを獲ったのだから凄い!


実は俺も、東京での修行時代(1999年)にこのコンクール(正確には前身のコンクール)に出品した事がある。 しかも、その出品先は同じ 『チョコレート工芸菓子部門』。 結果は部門内での銅賞(あの時は、2・3・4位無しの5位)。 グランプリには程遠い出来の作品だった......。


あれから7年。 ショコラの工芸菓子の技術は飛躍的に上がっている。
その間、俺は一切コンクールにはタッチしてこなかった。 故に、その技術を勉強する事もなく全く成長していない。 っていうか、成長しようとも思わなかった。


コンクールに出品するには、それ以前に技術の習得の為の訓練が必要になる。 毎日の仕事が終わってから、夜遅くにその練習をする。 俺もそうやって毎晩練習をして、やっとコンクールに出展させてもらった。


ところが、今の俺はどうだろう?
全く最新の技術を知ろうとせずに、毎晩注文のイラスト・チョコを作っている。 この話をした友人に言わせると、
「お前はそうやってお客さんが喜ぶ物を作っているんだから、それはそれで良いんだよ。」
なんて言っていたんだけど、「職人としてそれはどうなのかな?」 と自問してしまう。 まして 『コサイ』 さんの人の素晴らしい作品を見せられたらね......。


こんな “もやもや” が、ここ何日も続いている......。